ねりきりの作り方(再掲)
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Blog引越の際、多くの写真が消えてしまったので、
写真とともに改めて掲載し直しました。
クックパッドや各種レシピ本には、
電子レンジを使って、10個程度の量を、
簡単に作れる配合、製法が、たくさん公開されています。
しかし、現役の和菓子職人が、プロの製法で、
写真とともに作り方を紹介しているものは少ないようです。
「ねりきりを餡から自分で作りたい‼」
という愛好家の方に、少しでもお役に立てましたら幸いです。
薯蕷煉切製 『桜花』
そもそも「煉切」(ねりきり)とは?
白餡だけで繊細な細工をしようとしても、
ひびが入りやすく、表面も美しくありません。
そこで求肥(甘いお餅のこと)や水飴を入れて、
粘り気を出し、繊細な加工を可能にしたのが『煉切』です。
そんな煉切の中でも特に「極上」の美味が『薯蕷煉切』。
「薯蕷」(じょうよ)とは山芋のこと。
蒸し上げた山芋を裏ごししたもので、
白餡に独特の粘りと、気品ある香りを添え、
最高級の煉切とされています。
今日は、その薯蕷煉切の作り方をご披露します。
棒状のやまと芋を用意します。
皮をむき、ひげ根を除きます。
輪切りにして蒸します。
蒸しあがったら、熱いうちに素早く裏ごし。
裏ごしした山芋を再び蒸します。
アツアツの山芋に配量の砂糖を加え、思い切り混ぜます。
白餡を炊き上げる最後の仕上げに、上記山芋を加えます。
炊きあがったら、熱いうちにもう一度裏ごしします。
こうすることで、なめらかでふんわりとした薯蕷煉切が出来上がります。
難しいし仕事はひとつもありませんが、とても手間がかかります。
この手間を惜しまない仕事が美味しさの秘訣です。
煉切は薯蕷に限ります。