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ねりきりの作り方(再掲)

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以下の記事は2008年10月に初掲載したものです。
Blog引越の際、多くの写真が消えてしまったので、
写真とともに改めて掲載し直しました。


クックパッドや各種レシピ本には、
電子レンジを使って、10個程度の量を、
簡単に作れる配合、製法が、たくさん公開されています。

しかし、現役の和菓子職人が、プロの製法で、
写真とともに作り方を紹介しているものは少ないようです。

「ねりきりを餡から自分で作りたい‼」
という愛好家の方に、少しでもお役に立てましたら幸いです。


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薯蕷煉切製 『桜花』

そもそも「煉切」(ねりきり)とは?

白餡だけで繊細な細工をしようとしても、
ひびが入りやすく、表面も美しくありません。

そこで求肥(甘いお餅のこと)や水飴を入れて、
粘り気を出し、繊細な加工を可能にしたのが『煉切』です。

そんな煉切の中でも特に「極上」の美味が『薯蕷煉切』。
「薯蕷」(じょうよ)とは山芋のこと。
蒸し上げた山芋を裏ごししたもので、
白餡に独特の粘りと、気品ある香りを添え、
最高級の煉切とされています。

今日は、その薯蕷煉切の作り方をご披露します。
やまと芋
棒状のやまと芋を用意します。
皮むき
皮をむき、ひげ根を除きます。
輪切り
輪切りにして蒸します。
裏ごし

蒸しあがったら、熱いうちに素早く裏ごし。

裏ごしした大和芋
裏ごしした山芋を再び蒸します。
薯蕷だね
アツアツの山芋に配量の砂糖を加え、思い切り混ぜます。
薯蕷投入
白餡を炊き上げる最後の仕上げに、上記山芋を加えます。
仕上げ裏ごし

炊きあがったら、熱いうちにもう一度裏ごしします。

こうすることで、なめらかでふんわりとした薯蕷煉切が出来上がります。

難しいし仕事はひとつもありませんが、とても手間がかかります。
この手間を惜しまない仕事が美味しさの秘訣です。

煉切は薯蕷に限ります。

煉切 ( ねりきり ) の作り方

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薯蕷煉切製 『唐錦』

そもそも「煉切」(ねりきり)とは?

白餡だけで繊細な細工をしようとしても、
ひびが入りやすく、表面も美しくありません。

そこで求肥(甘いお餅のこと)や水飴を入れて、
粘り気を出し、繊細な加工を可能にしたのが『煉切』です。

そんな煉切の中でも特に「極上」の美味が『薯蕷煉切』。
「薯蕷」(じょうよ)とは山芋のこと。
蒸し上げた山芋を裏ごししたもので、
白餡に独特の粘りと、気品ある香りを添え、
最高級の煉切とされています。

今日は、その薯蕷煉切の作り方をご披露します。


棒状のやまと芋を用意します。


皮をむき、ひげ根を除きます。


輪切りにして蒸します。
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蒸しあがったら、熱いうちに素早く裏ごし。


裏ごしした山芋を再び蒸します。


アツアツの山芋に配量の砂糖を加え、思い切り混ぜます。


白餡を炊き上げる最後の仕上げに、上記山芋を加えます。


炊きあがったら、熱いうちにもう一度裏ごしします。
こうすることで、なめらかでふんわりとした薯蕷煉切が出来上がります。

難しいし仕事はひとつもありませんが、とても手間がかかります。
この手間を惜しまない仕事が美味しさの秘訣です。

煉切は薯蕷に限ります。

唐錦

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薯蕷煉切製 『唐錦』

菓銘「唐錦」は中国の絹織物の美しさを転じて
紅葉の見事さをあらわしたもの。

絹織物が中国でしか生産できず
世界中から絹を求めてシルクロードを詣でた頃に
名づけられた歴史有る菓銘です

唐錦 秋の形見や立田川
       散りあへぬ枝に 嵐吹くなり

古今和歌集

千代菊

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薯蕷煉切製

菊は花期が長いことから不老長寿の象徴。
旧暦9月9日は「重陽の節句」といい、
菊に真綿をかぶせて朝露を集め、その綿で体をぬぐうと、
邪気を払い、長寿が叶うと信じられた。

この菊に真綿をかぶせた意匠が「着せ綿」
という菊のお菓子の菓銘の由来である。

鎌倉時代、後鳥羽上皇はことのほか菊を好み、
自らの印として愛用した。
その後の天皇も菊の紋を自らの印として継承し、愛用したため、
菊のご紋(十六八重表菊)が天皇・皇室の「紋」として定着した。


この「三角ベラ」で菊の花弁を刻む。
最初にこのへらで菊を作った先人を心から尊敬したい。
素晴らしいデザイン、流れるような美しい仕事。
一年を通して、大好きなデザインのひとつだ。

修業中、「菊が生きていない」といって、
なかなか作ることを許されなかった仕事。
毎年、毎年作り続ける中で、
いつのまにか数千の菊を刻んできた。
少しは命を吹き込むことができただろうか。


最近、生菓子作りの楽しさを教えることが多くなってきた。
教えることで一番学んでいるのは自分自身だと思う。

さくら

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一年を通した煉切の意匠で一番好きなのがこの「さくら」。


この意匠は師匠の形ではない。
書籍で拝見した紫野源水さんの意匠の美しさに惚れ込んで、見よう見まねで作り始めました。

最初は思うように作れなかったが、毎年毎年10年以上作り続け、今では私の形になってきたのではと思う。

未だつぼみの固い桜の美しさを想像しながら、季節を先取りして作っています。

薯蕷煉切製・こしあん

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