カテゴリ

カテゴリ:厳選素材

日本一の製糖工場見学

カテゴリ:
IMG_2728
微笑庵の目指している7つの行動指針「和菓子ルネッサンス宣言」の中に、「厳選した素材を使う」という項目があります。これは、ただ単に良い材料を使うというだけでなく、生産者や生産現場に積極的に足を運ぶ、会いに行くことを目指しています。

砂糖関係に強みをもち、卓越した知識と真心こもった営業力でサポートを頂いている食品商社「小板橋」さまのご配慮で、「新東日本精糖」さまの日本最大規模の製糖工場を見学させていただきました。
seitou1
ピラミッドの様に積み上げられた原料糖。そのあまりの量に圧倒されます。
(工場見学中の写真撮影は禁止。上記写真は新東日本精糖さまHPより)

この時点では茶色い原料糖が、洗浄、ろ過などの工程を経て、無色透明の糖液になり、それを煮詰めて結晶を育て、遠心分離機で結晶と液体に分けて製品化し、金属探知機を通して出荷されます。(製造工程は新東日本製糖さまHPで動画付きで紹介されています)

原料糖は船で運ばれてきますので、その時点で無菌はありえません。しかし、それを精製する工程で、外気や人手から遮断され、自動化、集中制御で生産管理されています。すべては食品インフラである砂糖の絶対安全のためです。多くの資本と、製品の品質と安全性を高める職人魂、精神性が、ここまでの設備を作ったんだと思いました。

製糖工程や最終製品の品質の高さは、国際比較すると差が歴然だそうです。日本人の砂糖の純度(白さ)へのこだわりは世界トップレベル。海外では「ここまで精製せず、ちょっとくらい茶色くても十分」という国々も多いそうです。

また、純度だけではなく、結晶の大きさへのこだわりも、日本人は飛びぬけて高い。
グラニュー糖だけで、粒の大きさが4種類。
白双糖でも、粒の大きさは4種類。
合計すると、粒の大きさだけで8種類のバリエーションを常に揃えています。これほどの品ぞろえは、国際的には奇異にみられるほどだそうです。

微笑庵では、日新製糖さんの「特F」という一番大粒の白双糖を長年愛用しています。お砂糖の純度で言ったら、グラも白双糖も同じです。ただ、結晶を大きく育てるのは、手間も時間もかかります。
tokuF
まるで金塊のような台形をした純結晶。インゴットとよばれているこの形は、砂糖の結晶そのものの自然な形で威厳があります。大粒の結晶がゆっくりと溶け出すことで、餡を炊くときに小豆の粒子に糖分がゆっくりと浸透し、芯までしっかりと甘みが入る。菓子職人が大粒の白双糖を愛用する理由はここにあります。

製糖工場に実際に足を運ぶことの大切さは、その圧倒的は規模感を感じること。製糖現場での暑さや甘い香りを実際に体験すること。大規模な投資の結実である衛生的な製造工程と、それを支える現場の人々の情熱を感じること。私たちのような小さな和菓子店であったとしても、社長さまが直々に会社の役割や社会的意義について、熱をもって説明されること。スタッフの皆さんの清々しい対応と、誇りと自信をもって働いている様子を感じることです。
busu
狂言・附子(ぶす)の一場面(善竹富太郎さまHPより)

狂言の演目になるほど、古来「甘いもの」は人々の憧れでした。
清少納言の枕草子の中でも、削り氷に「あまづら」をかけたものは「あてなるもの」、高貴で雅なものの代表とされました。(あまづらは甘葛を煎じた汁。平安時代の甘味料。キリン食文化研究所さんのHP解説が素晴らしいです)

私たちは、皆様の生活に潤いや豊かさを感じて頂けるような、「あてなる」和菓子を求めて、これからも精進させていただきます。工場見学を通して、私たちも自分の仕事に自信と誇りを持てるよう、衛生や安全への挑戦を少しでも進化させたいと思いました。



尚、一部の人々の間で「白いお砂糖は健康によくない」「茶色いお砂糖の方が体に良い」という風説がありますが、科学的な根拠が希薄です。健康に良くないのは糖類の過剰摂取です。独立行政法人農畜産業振興機構のHPで詳細が解説されています。ご参考まで。

丹波大納言 畑を巡る旅

カテゴリ:
高崎だるま手作最中
「説明しなくても心から心に伝わる上質な和菓子」を目指す微笑庵にとって、原価が高いという理由で扱う菓匠が少ない素材でも、美味しいものならば積極的に扱うことにしております。
ぜんざい
京都産丹波大納言。中でも、機械を使わず、完熟した鞘のみを手で収穫する「手穫り」(てぼり)によって、丹波の中でも最高品質を追及する「新庄小豆生産組合」の小豆は極上品です。価格は北海道十勝小豆の3倍を越えます。
京都「美濃与」様のご厚意により、丹波大納言の勉強会に参加してまいりましたので、ご報告させて頂きます。
小豆畑3
小豆畑の見学から勉強会は始まります。11月8日にうかがったので、小豆の葉はほとんど枯れていますが、完熟した鞘のみ手収穫している畑なので、最終晩の鞘が完熟し収穫を控えていました。
小豆畑4
前組合長の松井さんから、今年の生育状況について丁寧な説明がありました。
松井さん


会場を変えてパネルディスカッション。
美濃与さまの進行で、「菓子職人」「生産者」「行政担当者」の三者が、最高品質を目指して挑戦している取り組みについて、意見を交換いたしました。
丹波大納言勉強会
生産者のお話しで特に忘れられないものを一つだけ紹介します。

小豆の花は約1か月かけて咲き誇ります。しかし、機械収穫の小豆は1日2日で刈り取られます。これで最高の品質が期待できるでしょうか? 私たちは、完熟した鞘のみ手で収穫することで、圧倒的に優れた品質の小豆を提供していると自負しています。

勉強会の後は、全国から駆け付けた尊敬すべき菓匠との情報交換です。憧れの菓匠とのお話しは時がたつのを忘れる程。深夜に及んだ親交は一生忘れることのできないものです。
丹波大納言勉強会2
翌日は最高の素材を実際にお菓子に活用する実践セミナー。
現代の名工にも選ばれた、近江「とも栄」の西沢勝治さんと、新進気鋭の若手職人、勝仁さんによる親子の共演です。慣れない会場と器具にもかかわらず、5品のお菓子を次々にご教示頂きました。素材について、製法について、丁寧な解説と献身的な姿勢に、心から感動いたしました。5品の中では「抹茶のダックワーズ」が本当に美味しく、微笑庵でもチャレンジしてみたい逸品です。
学びてしかる後に足らざるを知る
実はこの勉強会に参加するのは2回目、8年振りです。
前回参加した時の様子もブログに書かせて頂きました。
畑を見れば作り手の志がわかる
お世話になった美濃与の山口さんからお手紙を頂き、今でも大切にしています。その一節が、新庄公民館に掲げられた額の言葉と一緒だったので、一部ご紹介させて頂きます。

「ただ小豆を植えているだけの畑と、手塩にかけて最高品質を目指している畑に違いがあることを是非忘れないでください。畑を見れば作り手の志がわかります。ここまでくるのに何年もかかってますし、これからも進化すると信じています。一度見ただけでわかったと思わず、一生が勉強だと思い、本物を見極める目を養い続けて下さい。」

額の故事は「学びてしかる後に足らざるを知る」。学んでみてはじめて、自分がいかに知らなかったか、ということがわかる。だから一生涯、学び続けることを大切にしましょう、という意味です。

生産者のご苦労と情熱を感じながら、最高品質の和菓子を目指し地道に精進させて頂きます。

日本一の製糖工場を見学♪

カテゴリ:
satou
菓子を作る上でなくてはならないお砂糖。

小豆の風味を引き立て、
上品で後味の良いあんこを炊くため、
純度の高いザラメを使うことが多いのですが、
「白砂糖は危険」
という意見があることを知り衝撃を受けます。

白砂糖は本当に危険なんでしょうか?

取引先の問屋さんに相談したところ、
「私たちも勉強したいので一緒に工場見学と勉強会に行きましょう」
と日本最大の製糖工場、新東日本製糖さんに行ってきました。

社長の見城さん直々に、
砂糖がどのように作られ、出荷されるのか、
お話を伺うことができました。

中でも、原材料の安全性の確認(残留農薬のチェック)から、
職人技の完全自動化を通して衛生的に製造し、
出荷段階でさらに検査を通らないと出荷しない、
安全対策の徹底ぶりには驚かされました。

またその規模の大きさは壮大。
港から陸揚げされた原料がベルトコンベアーで
倉庫に運ばれるのですが、まるでピラミッド!
まさに日本の食を支えている企業なんだと実感しました。

白砂糖の安全性についての議論は、
「白砂糖は漂白されていて危険」
「製造工程でさまざまな薬品が投入」
という前提そのものが間違えていることがわかりました。

「白砂糖は悪・麻薬」と感じさせるような、
極端な議論には疑問を感じざるを得ません。

さまざまな種類の砂糖があり、
それぞれに違う魅力があり、それぞれに尊重されるべきです。

特に純度の高いお砂糖には、
小豆に使えば小豆の風味を最大限に引き出すために、
欠くことのできない貴重な素材であることを、
確認することができました。

また、社長さんはじめ社員の皆様が、
日本の食の安全を守るために、
誇りとプライドを持ってお仕事をされている。
志というか情熱のようなものを熱く感じることができました。

充実した工場見学でした。ありがとうございます。

このページのトップヘ

見出し画像
×