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書評『和菓子 美・職・技』

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本棚 グラフィック社 和菓子
明けましておめでとうございます。
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神々しさを感じる初日の出を見ながら、年頭の誓いの気持ちも込めて本を読みました。
姉妹サイト「和菓子の本棚」にて公開いたしましたので、よかったらご覧ください。
今年も和菓子を通してお客様のお役に立てますよう、精一杯努めてまいります。

微笑庵 宮澤 啓

和菓子の本棚『和菓子 美・職・技』グラフィック社・編

和菓子の本棚

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hondana
『和菓子の本棚』
http://wagashino-hondana.blogspot.jp/
という新しいブログを立ち上げました。

微笑庵の行動指針として
「和菓子ルネッサンス宣言」
というものが、ホームページに掲載されています。

その宣言の第一条が「選択と集中」です。
「後世に残したいほど価値ある和菓子に集中し、あれこれ作りません」

これはこれで良いのですが、
そうすると日ごろの仕事は、基本的に同じことの繰り返しになります。

日々繰り返される同じ仕事の中にも、
わずかな変化があり、それを新鮮に感じたり、
楽しめたりすることが、菓匠の日々の精進だと信じています。

一方、「ブログ」で何をお伝えするかを考えたとき、
さすがに毎日同じことの繰り返しでは退屈です。

そこで「技」を鍛える部分は工房で鍛え、
「心」を磨く場を作りたいと思っていました。
それが「和菓子の本棚」の原点です。

毎月3冊、3年で100冊ほどご紹介できたら良いな、
と思ってスタートを切りました。

最初にどの本をご紹介するのか、ちょっと迷いました。
今年は新刊に素晴らしい本がたくさんあるので、
まずはその中から、
日菓さんとまっちんさんの本を選びました。

よかったらご覧ください。

「四十初感」 芝田清次講演会VTR

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P1020354
「花雲水」を読んで、その深い教養と、商いへの真摯な姿勢に感動しました。


『あぁ~、芝田さんが生きていたら、直接お話しが聴きたかったなぁ~・・・』

と思っていたら、なんと講演VTRがありました!

「叶匠寿庵 芝田清次講演会」

昭和63年ですから約20年前。
まだ出来たばかりの「寿長生の郷」に伺って、
芝田さんから直接話を聴いているのは、若き日の父の姿です。

YouTubeにUPした映像は、芝田さんが39歳の誕生日を3日後に控え、
大津市より観光課長就任を打診され、
母の墓前に花を手向けて相談したところ、突然の夕立に襲われる、
というところから始まります。

雨宿りに本堂に入ったところ、一枚の色紙が目に飛び込んできた。

「四十初感 五十立志 六十精励 七十成就」

この吉川英治さんの色紙を見たとたん、
雷に打たれたように感動し、
「あぁこれが母の答えか!」
と、充実した大津市職員を退職。

3ヶ月後、まったく経験のない和菓子の世界に飛び込むことになるのです。

『初感』とは、失敗を繰り返しながらも人生の経験を積み、
天職との出会いを感じる時とのこと。

私も39歳の誕生日に、この本、このVTRに出会えて良かった。

花雲水

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私事ですが、
39歳の誕生日を迎える前にどうしても読んでおきたい本がありました。

『花雲水』

叶匠寿庵の創業者、故・芝田清次さんの自伝。

叶匠寿庵を知らない方のために。
滋賀県大津市発祥の和菓子店。
現在、全国に70店舗を展開する和菓子のトップブランドです。
特に素晴らしいのは、「和菓子×デザイン」の追求。
高崎高島屋にも出店頂いたおかげで、
美しいディスプレイや季節の提案を、東京まで行かずに見ることができます。
拝見するたびに学ばせて頂いています。

「花雲水」は昭和60年(1985年)に上梓されました。
当時、全国の百貨店の和菓子部門の売上上位を独占。
大津市内に6万坪の広大な土地を買収し、
「農工一体の菓子作り」の理想を掲げ『寿長生之郷』を完成させました。

その創業は芝田清次さんが39歳のとき。
大津市観光課の職員を退職し、
和菓子の製造に関する技術はほぼゼロからのスタートでした。

資本、技術などほぼゼロから、
これほど素晴らしい和菓子店が誕生した奇跡!
まるで夢のようです。

研ぎ澄まされた深い教養から綴られた美しい文章は、
少々難解で、今まで読み進むことができませんでした。
しかし、39歳を目前にした今だからこそ読みたいと願っていたからか、
今まで読めなかったことが嘘のように、行間まで心に沁みるように読ませて頂きました。

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