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2本の動画を公開いたしました。
http://www.misyouan.com/movie/
misyouan douga
「ちごもち編」(1:46)と「和菓子作りへの思い編」(2:47)。

 ちごもちが連日行列の人気になるなんて、25歳で作り始めた時には想像もできませんでした。1日30個売るのに苦労し、100個売れるようになるまで14年かかりました。初めて1日1000個を完売するのに18年もかかっています。私たちにとっては、一時的なブームというより、ゆっくりと時間をかけて広まったと感じています。

 最近、様々なメディアでインタビューを受けることが増えました。そのたびに聞かれることは「微笑庵さんにとって「ちごもち」とは何ですか?」と「今後の夢や抱負は何ですか?」というものです。

 「早起きして手仕事」が減りつつあるように思います。でも私はそれに憧れて、それに美しささえ感じて、師匠に弟子入りしました。私は決して器用な職人ではありませんが、毎日規則正しく早起きし、同じ仕事に向き合うことに喜びと誇りを感じています。ちごもちがヒットしたことで、そんな職人仕事、職人文化を未来に残せるかもしれない。それが何より嬉しいし、やりがいを感じています。
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榮太樓工場図 グラフィック社「美・職・技 和菓子」P.135より

 製菓機械も、冷蔵庫も、保存料もなかったころの、和菓子屋の仕事ぶりを描いた貴重な絵図。かまどには蒸籠がうず高く積みあがり、餅は杵と臼でついています。
 日持ちのしない餅やまんじゅうを、この勢いで作っている、ということは「その日のうちに、飛ぶように売れた」ことと「かたくなる前に、その日のうちに食べた」ことを物語っています。

 江戸の粋な職人仕事の方が、今の菓子より美味しかったのではないのか?
 この恰好良い職人仕事を、未来に残せないものか?

 江戸の粋な職人文化を、今生きる人に共感頂ける形で未来に伝えよう!
 和菓子をもっとヤバく!

 「和菓子ルネッサンス宣言」はちごもちのヒットに勇気づけられて生まれたものです。私たちは全力で宣言の世界観の実現を目指します。




 そしてもうひとつ、挑戦したいことがあります。それは「和菓子職人の仕事を映像として残す」ことです。
二郎は鮨の夢を見る
「二郎は鮨の夢を見る」感想は「和菓子の本棚」に詳しく書きましたのでそちらに譲りますが、とにかくこの映画が大好きで、このドキュメンタリーの和菓子版をいつか作ってみたいと夢みています。

 ただ、このレベルに到達するまで和菓子の映像を公開できないとなると、あまりにもハードルが高すぎます。まずは、今、この瞬間の微笑庵を映像として残したいと思いました。撮影・映像制作は松本えり奈さん、岡安賢一さんのチームです。
 私たちは至らないところもたくさんありますし、スタッフも本当は恥ずかしいので出演したくないと拒んでいたのですが、熱く説得して作った動画です。
 また、この動画は私たちスタッフだけではなく、私たちのお菓子を食べてくださる方の登場なしではありえませんでした。動画制作の趣旨に共感頂き、撮影に参加して下さった皆様にも、改めて感謝申し上げます。
 kirabaさんの基本理念と同じく、「オープン」「フェア」「ワールドワイド」な姿勢を形にしたものが、今回公開した2本の動画です。よかったらご覧ください。
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