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2022年05月

白玉ぜんざい販売開始2022

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「説明しなくても心から心に伝わる上質な和菓子」を目指す微笑庵にとって、原価が高いという理由で扱う菓匠が少ない素材でも、美味しいものならば積極的に扱うことにしております。
ぜんざい
京都産丹波大納言。中でも、機械を使わず、完熟した鞘のみを手で収穫する「手穫り」(てぼり)によって、丹波の中でも最高品質を追及する「新庄小豆生産組合」の小豆は極上品です。価格は北海道十勝小豆の3倍を越えます。

京都「美濃与」様のご厚意により、丹波大納言の畑をたくさん見せていただきました。
小豆畑3

小豆畑4

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畑を見るだけでなく、「菓子職人」「生産者」「穀物商」「行政担当者」が、最高品質を目指して意見を交わしました。
丹波大納言勉強会
生産者のお話しで特に忘れられないものを一つだけ紹介します。

小豆の花は約1か月かけて咲き誇ります。しかし、機械収穫の小豆は1日2日で刈り取られます。これで最高の品質が期待できるでしょうか? 私たちは、完熟した鞘のみ手で収穫することで、圧倒的に優れた品質の小豆を提供していると自負しています。

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畑を見れば作り手の志がわかる
お世話になった美濃与の山口さんからお手紙を頂き、今でも大切にしています。その一部をご紹介させていただきます。

「ただ小豆を植えているだけの畑と、手塩にかけて最高品質を目指している畑に違いがあることを是非忘れないでください。畑を見れば作り手の志がわかります。ここまでくるのに何年もかかってますし、これからも進化すると信じています。一度見ただけでわかったと思わず、一生が勉強だと思い、本物を見極める目を養い続けて下さい。」

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生産者の長年の努力と情熱の結晶である丹波大納言。

餡にこだわる微笑庵が、和菓子職人としての経験と技術を結集した究極のぜんざいが、この白玉ぜんざいです。暑さが厳しくなると、甘いものは敬遠しがちですが、白玉ぜんざいだけは別だと思います。
きりりと冷やして、つるりと滑る白玉だんご。煮豆よりは濃く、あんこよりは極めて薄味に炊き上げたぜんざい餡。この2者の調和は絶品です。

「白玉ぜんざい」を見れば、そのお店の技量や美意識は一目瞭然。是非、お召し上がりください。 
(2014年初稿 2022年加筆再掲)

青竹水羊羹販売開始2022

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青竹流し本水羊羹「ささのしずく」の販売を本日より開始いたします。
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平成7年(1995年)、修行を終えて故郷に帰りました。

そして夏。

一番夏らしい和菓子を故郷でも作りたいと思いました。
青竹流しの水羊羹です。

当時、群馬県では1軒も作っているお店はありませんでした。
「ウチのような町はずれの店で作ったところで売れるのか?」
不安がよぎりました。
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青竹の青さははかない。
3日もすれば黄色くくすんできます。
だからこそ青竹は鮮度の象徴でもあります。

毎日しっかり売り切らなければ、作ってもロスになってしまう。
美味しく作る自信はある。
問題は「売り切れる」のかどうか。
菓子倶楽部 水羊羹
高崎でもっとも尊敬している菓匠のIさん、その弟子のOさんに相談しました。
(写真は「高崎菓子倶楽部」という勉強会での1枚。1999年5月)

「一緒に青竹水羊羹作りませんか」

そして400本の青竹を買って3人で分けました。
Iさん200本、私とOさんで100本づつ。
すべてはここから始まりました。
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25年前、1シーズンで100本売るのが精一杯でした。
今では1ヶ月で1,000本以上完売する盛夏の定番商品に育ちました。

群馬で、高崎で、青竹の水羊羹が当たり前に買えるようになりました。私たちは一つの文化を作った、と少しだけ誇りに思っています。

どうせなら文化を作るような和菓子屋を目指したい。

(2010年7月初稿 2022年一部補足再掲)

たらちね 母を想う和菓子

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たらちね
5/8は母の日です。
母への言い尽くせぬ感謝の気持ちを和菓子で表現致しました。
万葉の頃から母を思う和歌の枕詞「たらちね」。
最上級の茶席菓子に用いられる薯蕷(やまいも)ねりきりでお作りしました。
最良の口どけを目指して極細の篩で裏ごしされた薯蕷あんは、まさに大和の母のような優しい甘みに仕上がっています。
母を想い、そして捧げたい和菓子の逸品です。

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「ニッポン全国和菓子の食べある記」畑主税著より





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