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2014年08月

白玉ぜんざい

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zenzai
白玉ぜんざい

暑さが厳しくなると、甘いものは敬遠しがちだが、
白玉ぜんざいだけは別だと思う。 

きりりと冷やして、つるりと滑る白玉だんご。
煮豆よりは濃く、あんこよりは極めて薄味に炊き上げたぜんざい餡。
この2者の調和は絶妙だ。

小豆の一粒一粒はしっかりと生きているのに、
口に含むと混然一体に溶けてしまい、皮がまったく気にならない。
この絶妙な炊き上げに、和菓子職人は全神経を集中するのです。

少しでも皮が硬ければ、ゴワゴワと口に残り、食味を落とす。
かといって少しでも柔らかければ、
皮ははじけ、中身が出てしまい、濁った蜜は美観を損ねる。

硬くもなく 、柔らかくもなくい、絶妙な炊き上げは、
ほんの一瞬であり、季節とともに変化してゆく。

「白玉ぜんざい」を見れば、そのお店の技量や美意識は一目瞭然だ。
恐ろしい程に難しく、美しく、美味しい和菓子。 

ささのしずく

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sasa
ささのしずく

青竹を器に使った先人の美意識には心からの敬意を払うものの、難しい菓子だ。
ほんのりとした甘味の中に、わずかに残る小豆の香り。
極めて繊細な菓子。

それを収めるのは、見た目は涼やかだが、香りのある竹筒。
笹の葉にも香りがある。

ほんのわずかな移り香は、美味を増す。
しかし、香りが移りすぎたらすべてが台無しになる。
青竹の色は日々退色するし、洗浄、除菌の工程も大変な手間だ。

それでも、私たちは、青竹に水羊羹を流す先人の美意識を、
日本人として誇りに思い、後世に伝えたいと思う。
職人としての覚悟を求められる菓子。 

朝焼き どらやき

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dora
朝焼き どらやき

岡部伊都子さんの「四季の菓子」
和菓子職人として迷いの多い修業中に出会い、
何をするべきか照らしてくれる燈台のような本。

P.34 みかさ
いつつくられたのかわからない品ではなく、
ふうわりと焼かれたぬくみが手にうつる、
焼きたてのみかさを得るよろこびは大きい。


この一文にふれて以来、
焼きたてのどらやきを提供することで、
お客様のお役にたちたいと願い続けています。

毎朝焼きあげて、毎日完売する。
そんなどらやきを目指して、日々精進しております。 

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