白玉ぜんざい
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白玉ぜんざい
暑さが厳しくなると、甘いものは敬遠しがちだが、
白玉ぜんざいだけは別だと思う。
きりりと冷やして、つるりと滑る白玉だんご。
煮豆よりは濃く、あんこよりは極めて薄味に炊き上げたぜんざい餡。
この2者の調和は絶妙だ。
小豆の一粒一粒はしっかりと生きているのに、
口に含むと混然一体に溶けてしまい、皮がまったく気にならない。
この絶妙な炊き上げに、和菓子職人は全神経を集中するのです。
少しでも皮が硬ければ、ゴワゴワと口に残り、食味を落とす。
かといって少しでも柔らかければ、
皮ははじけ、中身が出てしまい、濁った蜜は美観を損ねる。
硬くもなく 、柔らかくもなくい、絶妙な炊き上げは、
ほんの一瞬であり、季節とともに変化してゆく。
「白玉ぜんざい」を見れば、そのお店の技量や美意識は一目瞭然だ。
恐ろしい程に難しく、美しく、美味しい和菓子。