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2009年06月

引網香月堂

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京山で一緒に修業した仲間の中でも、和菓子に対する真摯な姿勢に、
いつも学ばせて頂いている康博さん。

ご結婚披露のパーティーにご招待頂き富山県に行ってきました。

パーティー会場は康博さんが4年前に新規出店した小杉店のすぐそばだったのですが、
彼が生まれ育ったご実家が見たくて、伏木湊のお店に伺いました。

その日はちょうど毎月1回実施しているイベントの日、
ということで早朝から行列のできる忙しさだったようです。

20年以上毎月続けているイベント誕生のお話しと、
そのイベントの看板商品「家持さん」誕生のお話しを、
万葉歴史館のときわ木茶寮で絶品の「黒あんみつ」を頂きながら、
康博さんのお母様に伺いました。

おしゃれな黒いminiで小杉の新店までドライブする中でも、
万葉歴史館で茶寮を任せて頂くきっかけになったお話し、
「氷まんじゅう」のお話し、「けんか山」のお話し、
小杉店を開業するまでの土地探しのお話しなど、
時を忘れて聞き入ってしまいました。

アポなしで突然伺ったにもかかわらず、
貴重なお時間をありがとうございました。

パーティーでは、参加者を楽しませる数々の企画があったのですが、
中でも「丸鯛」の実演には感動しました。

この「丸鯛」は師匠が『盗んで覚えた』大切な技術で、
OB会の時に教えて頂いたことは以前Blogに書きました。
丸鯛
http://plaza.rakuten.co.jp/misyouan/diary/200702210000/

この丸鯛を、店頭販売できるサイズに小さくして大切に作り続けていることが、
実演を通して伝わってきます。感動しました。

これからも富山を代表する菓匠として活躍することを確信しました。
ご結婚おめでとう!♪

 

あんこも夏支度

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P1020258
『名残の雪』用 丹波大納言つぶ餡

この小さな画像で「あずき色」の微妙な違いをお伝えできるかわかりませんが、
このつぶ餡は夏支度。
青っぽいあずき色が特徴。
白双糖をギリギリまで減らしてあっさりと炊き上げる。

逆に冬支度の粒あんは、
しっかりとコクのある甘さに炊き上げる。
色は赤みがかったあずき色。

夏・冬ともに餡の炊きあげにヘラ入れはしない。
だからあずきの粒が生き生きとしている。

小豆の硬い表皮を柔らかくしながらも、
煮崩れしていない一瞬を見極めながら、
1年を通して美味しく召し上がっていただく工夫は、
私のオリジナルではなく先人の知恵でありプレゼントです。

大切に守り次代に伝えたいものです。

甘納豆 玄 <丹波大納言>

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甘納豆s玄
「玄」を「くろ」と読みます。
玄人(くろうと)のくろ。

語源は
【空間・時間を超越し、天地万象の根源となるもの】
【微妙で奥深いこと 深遠なおもむき】

10年ほど前、家庭画報で「松平不昧の世界」という企画があり、
不昧公が愛用した茶道具を紹介。
特に漆の漆黒を「幽玄の玄」と表現していて、
写真とともに感銘しました。

味といい、色艶といい、
不昧公が愛した幽玄の美があり、
すべての和菓子の根源になる技術、精神が込められている。

だから『玄(くろ)』。

厳選した丹波大納言を3日3晩かけて丁寧に炊き上げた、
極上の甘納豆です。




小豆の渋切り

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小豆を煮ると強烈なアクがでます。

この煮汁には渋みや苦みが多く、飲んでもあまり美味しくありません。
この灰汁汁を捨て、新たな水で煮直す作業を「渋切り」といいます。

近年、この灰汁には素材本来のうまみ成分がたくさん入っているので、
あく取りや渋切りは極力行わない、というお話も伺いますが、
師匠の教え、先人の智慧を尊重して、渋切りを行います。

小豆の渋切りは、
酒造りにたとえると米を磨き研ぎ澄ましてゆく工程と似ています。

なるべく少ない回数で仕上げたいが、
渋みや雑味は絶対に残したくありません。

この渋切りの回数は季節によって全く異なります。
「1回」とか「3回」と決めてしまわないところが、
餡こそ命!と考える当庵のこだわりでもあり、肝でもあります。

奇跡を重ねる

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何か欲しいものがあるとき、
お金を払って商品やサービスを提供していただく。

これが普通だし当り前の日常です。

でもごく稀に、お金を払っていないにもかかわらず、
商品やサービスを受けることがあります。

その対価は、相手への尊敬だったり、
私たちの夢や志へのエールだったり・・・

そんな時は胸がアツくと同時に
受けた行為への責任を感じるのです。

この平皿もそんな奇跡の逸品。
「微笑庵さんのお菓子に良く似合いそうだから」
織部
織部の深い緑に「わらびもち」が似合うだろうか、
それとも葛饅頭がよいだろうか・・・

自分ひとりの能力、努力、経験だけでは、
できることもたかが知れています。

魅力ある様々な方のお力をお借りして、
少しでも大きな感動を創造できるようになりたいものです。
本当にありがとうございました。

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