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加辺成久先生との思い出。

いとこの真紀ちゃんが絶賛する茶道教室でお茶を習おうと思ったところ・・・

「お教えするかしないかは、一度会ってお話をしてから決めましょう」
と、なんと入門前に面接を求められました。

指定された時間に伺うと、部屋には夢の掛け軸。
お華は船形の花器に生けて、天井からつるされていました。
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画像は借り物です http://mall.cau1.com/t/postarcarendar/item2326913.html

「宮澤さんは、どのくらい本気でお稽古がしたいんですか?」

なんとお答えしたのか、あまりよく覚えていませんが、
加辺先生は、私が本気ならば他の先生を紹介しようと準備をしていたのです。

「大橋町の鈴木先生をお訪ねになりなさい。
 あそこは親・子・孫と3代続く熱心な先生が指導してくださいます。
 私はあいにく高齢なので、あなたを最後まで仕上げることはできないでしょう。」

「ただ、宮澤さんが私を訪ねてきてくれたことが本当にうれしくて、
 あなたの門出を祝福するための室礼はさせてもらったの。
 一杯お茶を飲んでいきませんか?」

私の門出を祝福するために「夢」の軸を掲げ、
夢に向かって漕ぎだす船をイメージした船型の花器にじゃこうにんどうが生けてありました。

私は先生の心配りが嬉しくて、その場で頼み込んで弟子入り。
最高の師匠を得ました。

弟子は結婚を機に稽古からすっかり遠ざかってしまう不良ではありますが、
今でも心から尊敬しています。