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こしあん
微笑庵のこしあん 師匠が「藤色」と呼ぶ薄紫色が特徴 塩は一切入れない



小豆を一晩水につける 真っ赤になった水は捨てて新しい水で炊き始める


製餡ではアクのことをシブと言う 渋切りの回数は季節によって倍以上違う


すっきりとアクが出なくなったら本煮 これも季節により時間が倍以上違う


小豆がすっかり柔らかくなったら裏ごし 小豆のゴのみを使う


麻袋で絞った生餡を白双糖の蜜に投入

修行から戻った直後、ラジオ高崎の「この人に10分」と言う番組から取材を受けた。
取材してくださったのは尊敬する経営者でもある根岸良司さん。
「微笑庵のこだわりはナニ?」
と聞かれて、私は
『餡です』
と答えました。
「餡なんてそんなに違うものなの?」
という素朴な疑問にアツク語ったような記憶があります。

群馬県は製餡・製菓の分業が進んでいます。
餡は製餡所から買うのが当たり前になっていました。

これは製餡所がクオリティーの高い餡を提供した、と言う側面があり、
一概に悪く言えないのですが、
「和菓子屋が餡を自分で炊かない・炊けない」
ということに、ものすごい違和感を感じて帰省したことを覚えています。

私の店も例に漏れず餡を買っている店でした。
私が修行からかえって一番初めに取り組んだことは、
「餡を極めることでお客様に感動を与えること」

とはいえ、小豆を裏ごしする機械がありませんから、
最初は大きなふるいを買って、手で裏ごしをしていました。

丸一日かけてたった1升の小豆をこしあんにする。
父はあきれるやら頭にくるやらで、カンカンでしたが、
私は頑としてこの製餡作業を止めませんでした。

ラジ高取材の根岸さんも、
「そこまでする価値があることなの?そんなに味が変わるの?」
「あんこにこだわっても、お客さんはわからないんじゃないの?」
と矢継ぎ早に核心を突く質問をしてくださいました。

『和菓子は餡が命です。私は餡に賭けています。』
と答えたような気がします。