花びら餅になぜゴボウ?

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昔の花びら餅
画像出典:「和菓子の京都」川端道喜著

すごい絵が残っているものです。
江戸時代のものですよ!

この絵は、川端道喜所蔵で、
宮中の年中行事を図で示した絵巻物「御定式御用品雛形」。
これによれば、菱葩は現在のような半円形ではなく、
丸く広がったままで供されたことを示しています。

この花びら餅には味噌に鮎のすもし(佃煮)が2匹のっています。
鮎はおめでたい魚で、
年頭初献の一杯に添える最高の肴とされました。

正月元旦に飲む酒は、雉(きじ)の肉をこんがり焼いた中に
熱い酒をそそぐ「雉酒」。
その雉酒のつまみ(肴)として菱葩を食べたというのです。
(道喜談)

また、鮎の佃煮のことを「押し鮎」といい、
固いものを食べることで齢(よわい)を固め、長寿を願う
「歯固めの儀」では押し鮎が供されました。
平安時代から続く伝統の宮中行事です。
(とらや黒川談) 

この押し鮎がいったいいつから牛蒡になったのか?

「定かではない」と道喜自身が記しています。(笑)

「ごぼう」は地震や天災に対する恐怖感に対して、
地中深くに根を張り、家の基となり、灰汁は厄を祓うとして、
めでたい食材だとされ、鮎に取って代わりました。
(とらや文庫 中山律子談)

御所では、公家百官をはじめ、
雑色といった警護にあたる役人に到るまで、この菱葩が配られました。
搗きたてのあつあつが配られたことから御所言葉で「おあつあつ」、
また持ち帰って焼いて食べたことから
「やきがちん」(「がちん」は餅の意)とも呼ばれたそうです。

花びら餅は本当に奥が深い。
たくさんの物語を秘めた歴史ある迎春菓です。

ふくさ牛蒡

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P1010900
迎春菓・花びら餅にはさむ甘煮したごぼうを「ふくさ牛蒡」といいます。
製菓材料問屋で、缶詰に加工されたものが買えるのですが、
ごぼうを炊くところから花びら餅作りが始まると信じています。


ごぼうは太くて凛々しいものより、
か細い乙女のように、ほっそりとした物の方が柔らかくて美味しいです。


たわしで徹底的に磨きあげます。


寸法に切り出し、一回あく抜きをしてから本煮します。


柔らかくなったら、純度の高い白双糖と蜂蜜で蜜煮。
圧力をかけて芯までしっかりと味をしみ込ませます。

黄金色のふくさ牛蒡は、京白味噌のあんと本当に良く合います。

花びら餅のルーツは鏡餅

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花びら餅s菱葩
花びら餅の内側。
白丸餅と紅菱餅を合わせています。
なぜ丸と菱をかさねるのでしょうか?

それは宮中に古来から伝わる『鏡餅』にルーツがあるのです。

画像出典:「和菓子の京都」川端道喜著

宮中の正式な鏡餅飾りの図が、京都・川端道喜さんには残っています。
それによれば、
天皇家の象徴である「三種の神器」のひとつ、
銅鏡を表すのが2つの丸餅。
白2つではなく、紅白重ねです。

その紅白餅の上にご注目ください。
『紅菱餅十二枚 葩十二枚』とあります。

この白丸餅は御所の梅に見立てたことから
「葩(はなびら)」とよばれ、菓銘の由来となっています。
この鏡餅に重ねられた紅白の丸餅と菱餅が、
花びら餅の原点です。

だからこそ、微笑庵では手間暇をかけて、
白丸餅と紅菱餅を重ね合わせています。
重ねることに意味があるのです。

謹賀新年 平成21年

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明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

初売りは1月2日(金)から。
営業時間は午前9時から午後6時まで。

2日、3日にお買い上げの先着200名様に、
和三盆糖の干支干菓子を進呈いたします。

新春の限定菓子は「花びら餅」
花びら餅
白味噌餡、ごぼう添えの羽二重餅。
宮中行事「正月の儀」で食べる縁起餅『菱葩(ひしはなびら)』が起源。
500年以上の歴史あるお菓子です。

菱葩の気品ある姿と美味しさに感動した裏千家の家元が、
宮中に懇願して許しを得たことから、
宮中外でも作ることができるようになったと伝えられています。

ふうわりとした羽二重餅と白味噌あんの調和は絶妙です。
1月中旬までの限定販売を予定しています。

和菓子技術講習会2008

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講習会2
2008年11月30日(日)
東日本製菓技術専門学校にて
和菓子の技術講習会に参加しました。

テーマは「新春の和菓子」

写真は講習会でライブで作った和菓子。
半日の日程にも関わらず8品作っていただきました。


「松竹梅鶴亀」
作り手によって新春の表現は全く異なります。
特に「和製 ブッシュドノエル」な製法で作った『老松』の
卓越した表現力と美味に感動しました。


講師は「仲嶋真輝」さん。
和菓子の技術品評会において
最優秀技能賞を連続受賞した名技術者。

また、和菓子作りのみならず、
卓越した書とディスプレイ力で、
和菓子の魅力をいっそう輝かせる名人です。

以前から憧れていた仲嶋さんの菓子作りを、
アシスタントをしながら間近で拝見することができました。
人柄も謙虚で温厚。
たくさん勉強させて頂きました。
ありがとうございます!

Kaizen 本田宗一郎

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本田宗一郎
挑戦する心

会社が設立されてまもない頃。
新エンジンの開発に取り組んでいた
河島喜好(その後二代目社長就任)は
本田宗一郎の貪欲さに驚きました。

「とにかく馬力の出るエンジンを創るんだ」

目標の馬力を達成すると

「なんだこの音は!
 馬力は落とさずに音を静かにせい」

その難題をなんとか解決すると

「なんだこのエンジンは!
 燃料消費量が多くてダメだ。燃費を良くしろ」

最初からこういうエンジンを、
という枠を決めるのではなく
技術の限りない可能性を前提に、
もっと凄いものを創ろう。
それが、本田宗一郎のやり方でした。

「やってみもせんで何をいっとるか。
 一見ムリなものが、ああやってだめなら
 こうやってというねばりの前に
 可能性をもちはじめてくるのである」
<本田宗一郎>

■□■Honda Magazin 2008 Autumnより■□■



「てるてる」さん、「poaro」さんより、
私も和菓子を作っています!というコメントを頂きました。

しかも、何回も何回もより良いお菓子を目指して
作り直し、作り続けていらっしゃるとのこと。

なんだか嬉しくてアツくなりますね。

そうなんです。
同じ配合で作っても、まったく仕上がりが違うんです。
なぜ?


6年前の栗ぜんざい。
少々煮崩れるくらい、柔らかく炊きあげていました。


今年の栗ぜんざい。
小豆がほとんど煮崩れることなく、凛とした輝きを湛えている。

どちらも同じ配合。
しかし仕上がりはまったく違っています。

お菓子作りを繰り返す中で、
技術を磨き、舌を鍛え、古典を振り返りながら、
今日より明日が少しでも美味しいお菓子ができるように、
チャレンジし続ける。
「Kaizen魂」を胸に秘めて。

「てるてる」さん、「poaro」さん、ありがとうございました。

栗ぜんざい<五穀豊穣献菓>

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栗ぜんざい
新米が薫り高く艶やかで美味しいことは良く知られています。
しかし小豆も、収穫されたばかりの「新小豆」が、
色・香りともに抜群に良く、一年で一番おいしい、
ということは意外と知られていません。

北海道の小豆といえば「十勝」が有名ですが、
北海道全域で小豆は作られています。


その美しさから蝦夷富士とも呼ばれている
「羊蹄山」の山麓。

北海道の三大産地「十勝」「富良野」「羊蹄山麓」より、
収穫されたばかりの新小豆が届きました。

大地の恵みに感謝を捧げるような気持でぜんざいに炊きあげました。
それぞれの産地の情景を想像しながら、
召し上がっていただけましたら幸いです。


新小豆食べ比べ
「栗ぜんざい」6個入り  1,575円



小豆の生産地は北海道が全国の89%を占め、ダントツの1位です。
そんな北海道の中から厳選した小豆たちです。

十勝更別村産 宝珠


富良野産


羊蹄山麓産 煌~きらめき~

ジロ~帰国祝い

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【超内輪ネタにつき、関係者以外読み飛ばし推奨】

このBlogにたびたびコメントを入れてくるジロ~くんが、
先月パリから帰国した。5年間お疲れ様でした。

「OB会があるから群馬においで」
と誘っておいてOB会にはいかず、
前橋の隠れた名店「ハトヤ」にて焼肉パーティー。
メンバーは、我が家と、直ちゃんちと、イヘイとババティー。
美味しい焼肉と子供達の歓声に包まれて、
和やかな夜となりました。
ジロ~
写真は今日のランチ。

「高崎で是非食べたい思い出の1軒」は、
箕郷町の「ブロンコ」に決定。
頼んだのはもちろん「シャイアン」。
こういう店で懐かしい友とメシを食べると、
あっという間に20年前にタイムスリップするから不思議。

積み重ねた時間が、どれほどジロ~を磨いたのか?
はっきりとはわからないけど、
時の経つのを忘れて話が尽きない。

益々の活躍を心から応援したい。

銀座 de 微笑庵

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銀座のど真ん中、歌舞伎座前に今年7月にOPENした、
群馬県のアンテナショップ「ぐんまちゃん家」で、
当庵の「高崎だるま手作最中」を
テスト販売させて頂けることになりました。

ぐんまちゃん家(ぐんま総合情報センター)HP
http://www.kikaku.pref.gunma.jp/g-info/index.html

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凹凸に削りだした集成材を使った木製建具をふんだんに使った内装は、
107件の応募の中から公開コンペで選ばれました。


微笑庵のコーナー。
焼きまんじゅうや水沢うどんなど、
上州の名物、銘菓が銀座で購入できます。

また、群馬をPRするイベントが毎月盛りだくさん企画され、
商品の販売にとどまらない、
群馬の情報発信の基地となっています。

銀座にお出かけの際は是非お立ち寄りください。

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